わたしたちの願い | 匠ウォンテッドが考える「匠」とは > |
ここからものづくりの可能性を、豊かな未来へとつなぎたい
匠ウォンテッドは、「職人」や「ものづくり」が好きな人のための場所。
「職人さんたちが作る素晴らしい逸品」が好きな人のための場所でもあります。
そして、ものづくりの現場側である「職人さんご本人たち」も、匠ウォンテッドを活用してさまざまな可能性を探ってほしいと思うのです。
ものづくりを通して、作る側も職人ファンも、どんどん楽しくつきあってほしい。
そんな場を提供することが、コミュニティとしての匠ウォンテッドの役割であり、使命です。
いま、ものづくりの現場は、押し寄せる時代の変化や経済後退の荒波で、たくさんのものが失われています。
伝統的に作られてきた、職人さんの手仕事による品などはそれにあたります。技術継承者がいないという場合や、需要が無くなって品物が製造されなくなってしまう、という場合も多いでしょう。
そればかりではなく、ものづくりの現場に経済的余裕や体力が無くなっていることで、新たなものづくりの可能性や将来性の芽までが摘まれてしまっています。
本来ならば、ものづくりの現場で、先輩から実地指導を受けながら製造のスペシャリストになるため修行したり、専門的製造知識を学校で学んでからものづくりの実務につくのが理想。
でも、いま、ものづくりの世界は想像を絶する速さで、元気をなくしていっています。そのために、そんな理想的なものづくりスペシャリスト育成はされなくなってきているのが実情。
このままでは、古くからのものも次に継承されず、新しい未知の可能性のある若い人材や才能も、ものづくりの世界で育つことができない。
ものづくりの未来にイノベーションを起こせるような、これまで無かった全く新しいものづくり文化を育むための土壌も、どんどん失われているのです。
わたしたち匠ウォンテッドは、そんな現実のなか、できることを探しつづけています。
ものづくりを愛するひとのために。
逸品が好きなひとのために。
職人さんやものづくりの未来を担う子供たちのために。
インターネット世界の片隅から始まった「匠ウォンテッド」は、ここからものづくりの可能性を、豊かな未来へとつないでいきたいのです。
職人さんに、世界で戦える力を与えるには?
匠ウォンテッドの運営者である匠WAST協会の吉増ケンゾウ代表は、もともとこんな風に感じていました。
「実直で技術が高い昔かたぎの職人さんたちがつくるものは、えてして地味な存在になりがちだ。こんなに良いもの、品質の高いものを生み出しているのに、なぜ注目を浴びないのだろう?」
例えば、日本メーカーの皮革製のバッグ。
革そのものの質も良く、ブランド化されているメイドインジャパンの革加工技術も素晴らしい。そのうえ、縫製もとても上等でしっかりと作ってある。しかも、超有名ブランドのバッグより、価格も抑えられている。
それなのに、巷ではヨーロッパブランドの「ルイ・ヴィトン」や「グッチ」や「シャネル」の高価なバッグばかりもてはやされ、老いも若きもみんなが欲しがっている。
もともと、吉増代表はクリーニング業が本業の会社社長です。
クリーニングといっても衣類だけでは無く、たくさんの高級バッグのクリーニングとメンテナンスも手掛けてきました。仕事柄、たくさんのブランド品バッグも目にしています。
「堅実な日本メーカーの上質な革バッグはなぜか流行らない。職人さんが丁寧な仕事ぶりできちんと作り、よほど超有名ブランドのものより長持ちもする。世界に通用するクオリティが高いバッグであることは確かなのに」
日本メーカーの革のバッグは、ヨーロッパの名だたるブランド品バッグとなにが違うのでしょうか。
メンテナンスに出されたヨーロッパのブランド品バッグと、その日本メーカーのバッグを並べて置いていた時、
「単純だが、それはひとえに、“日本メーカーのバッグが世の中の人たちに支持されるような見た目ではない”からではないか?」と、吉増代表は気づきました。
「バッグなど、職人さんが手掛ける日本メーカーのアパレル品は、良い意味でも悪い意味でもベーシックで、華やかでないデザインのものが多いように思う。
色味も黒やこげ茶色の無難なもので、とても大胆なデザインとは言えない。それに対してヨーロッパのブランド品アパレルは、都会的で斬新で、思い切ったデザインのものが多い。バッグの色も赤や蛍光イエローや青などカラフルで、鮮やか。非常にファッショナブルだ。
日本メーカーのバッグと、ヨーロッパのブランド品バッグの明暗を分けているのは、品質ではない。なにより、バッグの見た目、つまりデザイン力の部分ではないか」
質の良いものを作り上げる技術がどんなに高くとも、デザイン性で勝ることができないために、世の中から脚光を浴びていない日本メーカーのバッグ。
いま、どんどん輸入のものに取って代わられて、国産のものづくり業、製造業は縮小の一途。これでは、職人さんの素晴らしい技術がもったいない……。まるで宝の持ち腐れです。
「それなら、技術者である職人さんと、優れたデザインができるデザイナーさんが出会い、力を合わせてまったく新しいものづくりに挑戦していくことができるような、ものづくりの可能性を豊かなものにしていくためのコミュニティを作れないだろうか?
ものづくりを愛する人同士が語り合い、本当に素晴らしい逸品を手に入れるために情報を集めている人が、さかんに情報交換し合える。そんなおもしろい場所は作れないだろうか?
ものづくりの未来のため、インターネット世界の片隅から、変化を起こせないだろうか?」
そんな思いで、匠ウォンテッドは開発されたのです。
未来のものづくりがより良くなるよう、いつか、匠ウォンテッドから、職人さんに世界で戦える力を与えていきたい。
ここまでまじめに伝統を守ってきた職人さんや、新しいクリエイティブな力を持った若いものづくり従事者に、世界に羽ばたくためのエネルギーを与えたい。
日本のものづくりが、これからも廃れることなく成長していけるよう、お手伝いをしていきたいのです。
それがわたしたち匠ウォンテッドの、大きな夢であり、願いです。
匠WAST協会 匠ウォンテッド運営部
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