匠名/メーカー名:ガラス工房 橙 寺西将樹/寺西真紀子
ガラス工房 橙の、くるみガラスの食器(銘々皿)、花器など。
このくるみガラスシリーズは、独特の風合いが特長。
水色とも緑とも、青ともいえない色味。
レトロで粗削りなかたちだけれど、不思議に洋菓子にもマッチする雰囲気…。
なんともいえず魅力的です。
あなたは、骨董屋さんで売っている、古いガラスの薬瓶やガラスの花瓶を手にとってみた経験はありますか?
明治、大正、昭和初期くらいまでに作られて、骨董屋や古道具屋さんに置いてある、あの味わい深い表情のガラス。
いま現在、量販店に流通しているような、薄くてクリアな質感のガラスではなくて、たいていうっすら黄色がかっていたり、水色や青みがかった、厚みのある素朴なガラスでできていますよね。
ガラス工房 橙の、このくるみガラスの製品を見た時、私は「あ、レトロな骨董品のガラスそっくりだ!」と感じました。
(蛇足ですが、骨董の美しいガラス瓶は、熱心なコレクターがいるほど人気があります。)
「くるみガラス」は、「くるみの殻を燃やした灰をガラス原料に混ぜてつくる」という技法からその名をつけられたようです。
くるみは、ガラス工房 橙の所在する長野県東御市の特産なのだということで、工房の裏にもくるみの木があるとか。
このくるみガラスの製造法は、ガラス工房 橙を営む、寺西将樹さんと寺西真紀子さんご夫妻が発見したオリジナル技法。
おそらくほかでは手に入らないものだと思います。
寺西さんご夫婦が吹きガラスの熟練の技で製造している、まさにガラス職人のオリジナリティと技術が光る美しい逸品なのです。
工房のある長野県東御市の海野宿のレトロな風景にもマッチした、くるみから生まれた日常を少し素敵にしてくれる食器。
整然と整えられた大量生産のガラス製品にはない、風情ある美しさです。