匠名/メーカー名:有限会社シラタ
素っ気ないようでいて、なんとも味わい深い雰囲気を持つサマーニット。
華美な飾りがないぶん、ニットの編み目の美しさや、素材の優しい風合い、丁寧な仕立てが際立っています。
原材料も麻100%で、「ヨーロッパ、フランドル地方のフラックス原料の中でも一等亜麻と呼ばれる上質な原料だけを使用しています」とのことで、すごくこだわって作られたニットだということがわかります。
こんな、ごくシンプルな上質なニットを、サラッと素敵に着こなせるような、気品ある綺麗な人になりたい、と思ってしまいます。
これは、有限会社シラタの製造した「白田のリネン」のニットです。
白田は、宮城県加美群加美町にニット工場を構えています。もともとは、下請け製造業務を主に受け付けている会社だったようです。
しかし、東日本大震災が宮城を襲った2011年、震災の影響で、白田の工場への下請け業務のオーダーが激減してしまいます。
そこで白田はピンチをチャンスに変えるべく方向転換し、すばらしい自社ニットブランドをスタートさせました。
ニットブランドの名前は「白田のカシミヤ 白田のリネン 白田のコットン」。
これらの白田のニットは、古き良き職人技が活きた「手横編み機」でつくるニットです。
「手横編み機」は機械ではありますが、熟練のニット職人の手による目の増減、柄・糸の配色が必要であり、編みあげる作業そのものも、人の手による作業が欠かせないのだそうです。
手横編み機でつくるニットは、職人の手加減ひとつでさまざまに表情を変えるそうです。
職人の調整や手作業が要らない、操作がラクな全自動ニット製造機なども、世の中にはたくさんあるのでしょう。
しかし、白田がかたくなにこだわり続ける古き良き手横編み機の作り出したニットは、じつにあたたかみがあり、豊かな味わいがあり、とても美しい、と感じます。