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職人ってなんですか。 この地球(ほし)の職人 ①

職人の意味・定義

職人 しょく‐にん

自分の技能によって物を作ることを職業とする人。大工・左官・表具師など。

【小学館 国語辞典 大辞泉(デジタル電子辞書版)より】

筆者は大学生だったころに使っていた電子辞書を引っ張り出し、久しぶりに電源を入れて、思わず意味・定義を調べてしまいました。

「職人」ってなんですか。

現代では職人とひと口に言っても色々な産業に関わる人たちがいると思い、そもそも職人って日本語ではどういうふうに定義されているの?と調べてみたのです。

自分の技能によって(自分の持っている技術で)物を作ることを職業とする人のこと…。

けっこう拡大解釈できてしまう定義ですね。物を作る。そもそも「物」の定義を説明してくれ!と思ったのですが。

 

匠ウォンテッドをプロジェクトとして進める中、筆者は「職人」というのにもいろんなイメージがあって、人によってそのイメージは違う、と思ったのです。

じゃあ、現代の世界の職人ってどんな存在の人で、日本や世界での職人の歴史ってどんなもの?どんな産業に関わっているの?と、調べてみることにしました。

職人はどこにいるか?

「職人ってどこにいるんですか?」

それは答えるのがカンタンな質問かもしれません。

職=「仕事」。ひとことで言うなら仕事の現場に職人はいます。

はい、それでは(職人の関わる)仕事と言われるものは現代日本でどれだけあるんですか?

どういうものがあるんですか?

そっちのほうが答えるのが難しい質問です!

人それぞれ職人のイメージはいろいろだとは思いますが、現代日本で職人の仕事と言われるものは、伝統的な産業から、歴史の浅い産業も含めてこれだけあります。しかも、ここに挙げたものがすべてとは言い切れません。

アニメーター

インダストリアルデザイナー

イラストレーター

植木職人

漆職人

SFXイラストレーター

塗装工

映像エディター

音響エンジニア

光ネットワーク技術者

カメラマン

鳶職人

コピーライター

チーズ職人

左官

エディトリアルデザイナー

クリーニング師

CADオペレーター

すし職人

花火師

マスタリングエンジニア

造船技術者

バイオ技術者

宮大工

メカトロニクス技術者

ステンドグラス工芸家

バット職人

映画監督

釘師

酪農家

特撮監督

造園師

彫刻家

清酒製造工

メイクアップアーティスト

映像音響処理技術者

撮影監督

刃物職人

サーフボードシェイパー

漁師

漫画家

テクニカルイラストレーター

和菓子職人

靴職人

豆腐職人

自動車整備士

畳職人

大工

板金工

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【出典 http://v-fish.net/work/w19.html 仕事の書 HPより引用させていただきました。※一部編集済】

正直、数え切れないどころか数える気にもなれません。

大辞泉が簡単な説明しか定義を載せていないわけがわかりますよね。

職業上、あらゆるものを自分の持つ技術で作る人のことを指すわけですね。

しかも「あらゆるもの」と言ったって、酪農家・すし職人など食べ物から、クリーニング師のように、ものをつくっているというより技能を職業として提供している技術者まで職人に含まれます。

厳密に言えば大辞泉の「自分の技能によって物を作ることを職業とする人」という職人の意味の定義は、現代日本では違うような気がします。

それだけではなく、プロフェッショナルの技術者全般を指す言葉という感じではないでしょうか。

職人気質という言葉をひも解く

職人気質 しょくにん‐かたぎ

職人に特有の気質。自分の技能を信じて誇りとし、納得できるまで念入りに仕事をする実直な性質。

【小学館 国語辞典 大辞泉(デジタル電子辞書版)より】

またも電子辞書を引っ張り出して言葉を調べてしまいましたが、職人気質(かたぎ)や職人という言葉のイメージって、「家族になんといわれても、高い技術を持った職人であることにプライドを持って○○を作り続け、生活は困窮しても良質な○○を実直に作り出すことに生涯を捧げている頑固オヤジ」みたいなイメージですよね。

つまりそれが、日本において「職人」と言われたときに思いつくようなスタンダードなイメージなわけですね。

士農工商という言葉がかつては日本の歴史の教科書に載せられていました。

昭和~平成初期の教育現場で使われていた教科書の江戸時代の項目のページに、士農工商の四文字が書かれていたことを覚えている人も多いかと思います。

現代日本では最近の研究によって、それが身分制度の上下をあらわす言葉としては実際の江戸時代の史実からいえば的外れな表現だという事で、歴史の教科書には士農工商の言葉は載らなくなりました。

実際には士農工商の「士」=侍・武士は高い地位であったことは事実であっても、農工商はとくにそのような上下の身分地位がハッキリとしていたわけではなく、ほぼ対等であったということが現在判明している史実らしいのです。

さて、それで、職人は分類されるとすれば「士農工商」ならば「工」に入り、下から2番目の身分の地位に位置付けがされていますね。

決して昔から「職人」は高い報酬を得ていたわけでもなく、生活は質素で倹約的なイメージだったということがわかりますよね。

このかつての定説を作り出した歴史学者さえも、士農工商の言葉ならば下から2番目に位置付けるくらいなんですから。

『お金儲けや高い報酬を得ることを目的とするのではなく、その道をきわめて、いかに良いもの・素晴らしいものを作り出すかが職人にとって勝負のしどころで、お金や報酬はそのクオリティの高い仕事によって作られた素晴らしいものに支払われる、あくまでも最終的な対価である』

そんな考え方をしていた職人も多かったのでしょう。ある種、気位が高く崇高な考え方ですね。

こういう職人気質(かたぎ)の考え方やイメージは、実際に生活が大変でも技術を磨き続けた職人たちが、江戸時代のむかしからたくさんいたから、なのでしょうね。

どことなく「職人気質」の言葉には、誇りを感じさせるカッコいいニュアンスがあります。

この「職人気質」(しょくにんかたぎ)という言葉が造られたということは何よりも、職人が周囲からプロフェッショナルとして尊敬されていたということも物語っています。

 

職人ってなんですか。この地球(ほし)の職人 ②に続く

 

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