夏の風物詩でもある花火。近年は打ち上げ花火を見る機会がかなり減ってしまいましたが、いつでも私たちをわくわくさせてくれるイベントですよね。
そんな花火ですが、一人の若い和菓子職人が花火を型取り、人を魅了する和菓子があります。
そこで今回ご紹介するのは、愛知県出身の三納寛之という和菓子職人が考案した「宵花火」。
この和菓子ですが、SNSにて商品を発信すると即完売になるほどの超話題の和菓子です。筆者もこの和菓子を最初に見た時に、和菓子として見ることができず、これを食べても良いのだろうかと考えてしまうほどの芸術品です。
配色として、桃色、橙、黄、緑、水色、紫など、三原色を軸にした色合いで表現し、薄い練り切り餡がそのカラーバリエーションを包み込んでいます。
繊細な一つひとつの線が、これを食べる人の注意を引き、まるで小さな花火が掌の上で開いたかのような感覚になります。
この「宵花火」は和菓子特有の伝統技法である包みぼかしを使用しており、ヘラと押し棒を用いて外の包みから中の色が透けるように見せていく技術を活用しています。
筆者は、元々和菓子は好きで目に留まったものはその場で購入する質ではありますが、これはSNSでバズったという理由としては納得のいくものがありました。
若い世代の人こそ年々和菓子の存在が遠ざかっている実情がありますが、味わうよりも先に見た目から入ってくる情報として、私と同じようにすぐに惹きつけられ、それならばぜひとも食べてみたいと思うようになります。
多くの若い世代の人から支持されているこの「宵花火」は、和菓子職人のこだわった繊細な技術やパッとひと目見ただけで魅了させてしまうフォルム、線の数々、美しいグラデーションに賞賛が絶えません。