匠名/メーカー名:高澤ろうそく
古来から暗い空間でいつまでも照らし続けてくれるろうそく。
私たち日本人には欠かせないアイテムでした。そして現代では、電球を使って家庭内を照らしてくれるので昔よりは使う機会がかなり減ってきてはいますが、誕生日ケーキだったり仏壇にお供えするためだったり、アロマなどの効果を期待するためのキャンドルとして使われたりすることがあります。
そんな中で、ろうそくを作る職人として老舗店から出している逸品のろうそくがあります。今回はそんな伝統的なろうそくをご紹介いたします。
今回ご紹介する逸品は、1892年に創業し石川県にお店を構え能登七尾で和ろうそくを創作している高澤ろうそくさんの「輝」です。
同社の製品で扱っている和ろうそくとは、植物ろうを主原料として芯は和紙と灯芯草を使用しています。より自然を取り入れた素材を材料に使っているろうそくになります。
そもそも和ろうそくとは、日本の素材や製造方法で作られたろうそくであり、反対の意味では洋ろうそくとは位置づけが反対になります。その歴史は14世紀から始まったといわれており、産地としては愛知や京都が発祥とつたえられることが多いです。
そして、今回の逸品で紹介する和ろうそくは福岡県筑後産の木の実お3年間貯蔵したもの原料とし、櫨の木を使用しています。和紙と灯芯で手巻きされた芯を使って手作りで仕上げられているろうそくです。
製作方法や素材についても天然物を使用している点や、職人が一つひとつのろうそくを丁寧に心を込めて作り上げているところから、使う人の用途関係なくどんなことに使用していたとしても気持ちよく使えるようにしていると感じられます。
また、私が特に驚いたのはこの「輝」のろうそくがついている時間つまり燃焼時間です。それが驚異の4時間30分。ここまで自然のものを活用して手作業で丁寧に作り上げられているにもかかわらず、燃焼時間が長いということは、ろうそくがついているこの時間の分だけ楽しめるという事になります。
ゆったりとしなやかに灯してくれるこの和ろうそくが、使う人の気持ちを和らげてくれたり、自然を利用したつくりであるところから実際の炎の色や揺れ方など予測できないところがどこか神秘的で趣があります。
時間を忘れさせてくれるこの和ろうそく「輝」の灯を、一度は体感したいと感じるばかりです。