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「匠」という言葉の意味は、本当にそれだけなのか?
「職人」や「匠」という言葉を聞くと、どうしても世間の人びとは凝り固まったイメージを持ってしまうもの。
すなわち、古くから続く、手仕事で行われる伝統工芸技術のプロフェッショナルのイメージだけが浮かぶのです。
しかし、あなたは、「匠」という言葉の意味は、本当に「それだけでいい」と考えますか?
そろそろ、そんな古いイメージを脱却して、その道のプロフェッショナルや、専門家、スペシャリストのことを広く指す新しいコトバとして、生まれ変わらせても良いのではないだろうか、と、匠ウォンテッドは考えているのです。
むかしから職人と呼ばれている一部の人々だけではなくて、匠ウォンテッドは、「あらゆる分野に素晴らしい匠がいる」と考えます。
あらゆる分野において、自分のやりたいことや、やるべきことを日々きわめようと、地道に目の前の課題に取り組み続けるひとたちがいる。
それを広く「匠」と呼んでもいいのではないかと思うのです。
あらゆるジャンルのスペシャリストを、ここでは「匠」という
スペシャリストとして、素晴らしい技術力で新たなものを創り出そうと、日々神経をすり減らしながら目の前の作業に向き合い続け、たたかう人たちがいます。
もちろん、ある人は昔ながらの伝統工芸品を作っているかもしれない。
もしくは革製の鞄を手仕事で作り続けている人。
または、陶芸に一心に取り組んで、食器を作っている人。
吹きガラスでグラスを作っている人もそうでしょう。
でも、それだけじゃない。
それはもしかしたら最新鋭の技術を使って人の役に立つロボットを開発している人かもしれない。
パソコンに向かい、プログラミング言語を操って、これまでに世の中になかったシステムを創り出そうとしている人かもしれない。
美しい建物を作る建築家かもしれないし、至上の音楽をつくる音楽家かもしれない。
または、「わたしたちの日常の暮らしを進化させるもの」をつくる人かも。
たとえば、すごく硬いものも肉も果物も切れるけど、絶対手を怪我しなくて手入れもいらない料理包丁とか。
歯ブラシいらずで10秒でぜんぶの歯が磨ける道具とか、お風呂掃除が一瞬で終わる洗剤とか。
そんな、私たちの身近な暮らしを変えていく便利なものをつくろうとしている人、なのかもしれない。
世の中で「オタク」とよばれるような、それ以外のことは放って、情熱をもって好きなものだけと向き合いつづけ、何かをつくろうとしている人のことかも。
もしくは試験管に向かって研究をして、新しい薬剤を創り出そうとしている人や、がんに有効な新しい治療法を編み出そうとしている人のことかもしれない…。
名前が「○○職人」ではない人たちであっても、匠ウォンテッドは素晴らしい技術力や手仕事の技をもち、日々懸命に新しい何かを創り出そうとしている人々のことを「匠」と呼ぶのです。
これまでになかった新たな価値を創造する「新種の匠」を探し出す
そんなふうに言ってはみましたが、じつは匠ウォンテッドは、わたしたちの想像をはるかに上回るすごい価値のあるものを創造する、いわば「新種の匠」のようなものが出現するのではないだろうか、とも考えています。
「常識におさまりきらない未知の匠との遭遇」を、じつは期待しているのです。
「匠ウォンテッド」のサイトの主旨は名前通り「匠求む」「匠を捕まえろ」ということ。
あらゆる分野のスペシャリストである、すごい「匠」は確実に世の中に存在しますが、それをつなげるコミュニティがネット上にはないことが問題だと感じたのです。
「なら、それを作ってやれ」ということで始まったのがわたしたち「匠ウォンテッド」。
既存の分野のすごい匠にかぎらず、「常識におさまりきらない未知の匠との遭遇」を期待して、匠ウォンテッドは始まりました。
「未知の匠」は、それこそいままで世の中にはなかったようなモノを創り出そうとしている人かもしれないし、既存の分野からさらに進化させた優れたモノを生み出そうと奮闘している人かもしれない。
いずれにせよ、「匠」の意味をキッチリ決めては「常識におさまりきらない未知の匠」と出会うチャンスも、その匠が作り出す新しいモノと出会う可能性も減ってしまう!
世の中に新しい価値を創造する「新種の匠」を探しあてるのが、私たちの大きな目的であり、夢であるといえるのかもしれません。
どんな人も「匠」と呼ばれる可能性がある場
ここまで読んで、
「あらゆるジャンルのスペシャリストや、いままでになかった優れモノをつくる人を匠って言うんだ。じゃあ、具体的にどのくらいスゴイ人のことを、匠って言うわけ??」
という疑問を持った人もいるのでは?
「それはなにか受賞歴がある人のこと?ベストセラー製品を作った人のこと?もしくは人間国宝とか?」
じつは匠ウォンテッドは、その基準を「あえて」持っていませんし、これからもその基準をつくろうとはまったく思いません。
なぜなら、その人が「スゴイ匠」なのかどうかを決めるのは「あなた自身」だから。
極端な話、スゴイ匠なのかスゴくないのか?をテーマに議論しても、なんの発展性もない夢のない話になるだけです。
わたしたちは、匠ウォンテッドに参加してくれるみなさんの思う、それぞれの「スゴイ匠」の像を、どんどん追及していってほしいのです。
「その匠がスゴイかどうか」を審査する場ではなく、「自分が匠だと思う人の技術のすばらしさ、その人の作った品物のよさ」を語り合い、議論し、コミュニケートする場でありたいのです。
そういう意味では、匠ウォンテッドのなかでは、いま、どんな仕事に取り組んでいようが、お金になる「仕事」としてやっているわけではなくとも、「趣味」であったとしても「研究」であろうとも、その人が生み出すものに魅力があるなら、その人は「匠」です。
世の中の多くの人が「匠」と呼ばれる価値がある、何かのスペシャリストなのだともいえるでしょう。
「『匠』なのかどうかは、みんながそれぞれ別々に決めていい。そのほうが、可能性が無限に広がっていくだろう」
匠ウォンテッドは、そんなふうに考えています。
匠ウォンテッドとは?目次
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