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夏の夜空を彩る、花火と花火師の全貌に迫る!②花火師と花火の製法ついて知ろう

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火花に想いを込める、花火師について解説!

皆さん、花火はお好きでしょうか?

花火大会で夜空を鮮やかに彩る花火は本当に綺麗ですよね。
そんな老若男女に愛されている花火ですが、どのようにして作られているか 、あるいは、そんな花火を伝統の技によって生み出している「花火師」について、どのくらいご存じでしょうか?

花火は毎年花火大会や家庭用の手持ち花火で見ているけど、製造方法や、ましてや花火師については考えたこともないかもしれません。

本記事では、花火を作る職人さん「花火師」の仕事についてと打ち上げ花火の製造方法についてご紹介します。

花火師って?

まず初めに、花火師がどんな仕事をしているのか見ていきましょう。

一般的には、花火師は花火の製造や打ち上げ、花火大会の準備や設置を仕事としている職人さんというイメージがあると思いますが、花火師の仕事は花火の企画や商品の売込み、イベント会社への交渉など、様々な仕事内容があります。

また、夏は花火大会や結婚式、スポーツ大会などイベントの場で花火の打ち上げを行っており、依頼の少ない冬場に花火の製造を行うため夏以外にも花火師の仕事は非常にたくさんあります。 では、花火師の具体的な仕事内容についてご説明していきます。

花火の企画

花火大会やイベント(学園祭や結婚式)で打ち上げる花火の企画をします。 どのような順で打ち上げるのか段取りを考え、イベントに合わせた花火の種類の選定を行うため、デザインセンスの問われる難しい仕事になります。

花火の営業

営業と聞くと花火師が営業をしていると驚かれるかもしれませんが、サラリーマンと同じような営業活動も行います。 企画したものをイベント会社やイベントの主催者に説明したり、自らが作った花火を打ち上げ会社に売り込みに行ったりします。

花火の製造・販売

出典:秋田のしごと学

花火師の主な仕事である花火の製造と販売です。 企画した通りの花火を作成するためにも、花火師自身の花火の元である火薬の知識や、デザインセンスなどを用いて、人々を魅了する花火を作り上げます。 また、打ち上げ花火だけでなく市販の手持ち花火なども作るのも仕事の一つです。 打ち上げ花火の製造工程については、次の章でご紹介いたします。

花火の打ち上げ

花火大会やイベントなどで実際に会場に行き、玉を込めて、空に向かって打ち出す作業です。

大規模な真夏の花火大会であれば、何万発もの花火を1時間ほど打ち上げ続けることになるので、打ち上げ終わるまでの体力や重いものを持ち上げる力など肉体的にもさまざまな要素が必要となります。

また打ち上げ作業だけでなく、打ち上げ前は資材の運搬・搬入作業を行い、打ち上げ後には撤収作業と事後点検を行います。そして、花火を打ち上げるのは花火大会だけでなく学園祭や結婚式など会場は様々あり、いろいろな場所でこの一連の作業を行う必要があります。 そのため、夏は炎天下での作業となり肉体的にもかなり厳しい仕事といえますので、体力を持っておくことが非常に重要なことになります。

花火のプログラミング

引用:HONDA Kids

最後に花火のプログラミングについてみていきましょう。

打ち上げ花火は、筒の底に打ち上げ用の火薬をしきつめており、導火線を下にして花火玉を置いておきます。その導火線に火をつけることで打ち上がり、導火線から玉の中心にある割薬が点火されることで、花火玉が開きます。

その導火線に火をつける作業は花火師が直接火をつけているのではなく、並べた筒をコードでつなげていき、電気を使用し点火させています。あらかじめコンピューターにプログラムしておくことで、離れたところからスイッチをいれるだけで点火させることができます。

最近では、イベントなどでただ花火を打ち上げるだけでなく、音楽やライトなどの演出に合わせて花火を打ち上げることが多くなってきました。そういった複雑な演出を手作業で行うことは出来ませんので、パソコンによるプログラムによって指示を出しています。専用のソフトなどがあり、この音楽が鳴り始めた時にこの花火を打ち上げる、このライトの色に変わった時にこの花火を連続して打ち上げる、といった指示を出すことできます。

このようなパソコンのプログラムも花火師が自身で取り組んでいる方も増えてきています。そのため、パソコンでプログラムを組むという作業も花火師の重要な仕事の1つであり、現代の花火師はプログラマーであるとも言えますね。

花火ができるまで

次に、花火師の職人の技によって実際に花火ができるまでの製造工程をみていきましょう。

花火にも様々な種類がありますが、今回は花火大会でよくみられる打ち上げ花火の「花火玉」の製造工程についてご紹介します。

花火玉の中には、光の色のもとになる「星」と玉を破裂させ星を飛ばすための「割薬」がきれいに並んで入っています。そしてそれらの入れ物となっているのが、丈夫な紙を貼り合わせてできた「玉皮」という半球状の容器です。その他には割薬に火をつけるための「導火線」がつけられていたり、大きな花火玉には仕掛け用の小さい花火玉がついたものなんかもあります。

では実際に製造される花火の製造工程を見ていきましょう。工程を大きく分けると、

①火薬の配合⇨②星掛け⇨割粉掛け⇨③玉詰め⇨④仕上げ

のように、4つに分けることができます。 ではそれらの製造工程について1つずつ順に説明していきます。

①火薬の配合

出典:MORIKAMI

数種類の原材料である酸化剤や炎色剤、可燃剤などを計量し、混ぜ合わせ、ふるいにかけ、主に星と割火薬の2種類の火薬になります。この配合する薬品や金属粉の種類や配合により、光や色、音などに違いが生まれます。

②星掛け・割粉掛け

出典:MORIKAMI

星掛けは、配合工程でできた火薬で星を作る作業です。 直径2mm~3mmほどの粒状粘土を芯にして火薬を水に溶かして作った泥薬をかけその上に火薬をまぶして大きくしていきます。 これを数回繰り返して直径0.5mm程大きくして乾燥させます。毎日この作業を繰り返すことにより規程の大きさまで星を育てていきます。花火玉の大きさによって星の大きさは変わりますが、10号玉で22mmの大きさとなり、約20日程度掛かります。 仕上げは火着きをよくするため、黒色火薬を使用します。そのため最初は星の色は配合された薬剤によって違った色合いになりますが、最終的にはすべて黒色になります。 また、割粉掛けは割薬を作る作業です。 作業自体は星掛けと同じで、もみ殻・コルク粒・綿実などを芯にして泥薬、火薬を繰り返して大きくしていきます。割薬は1日で仕上げ、数日間感想させて完成します。

③玉詰め

出典:MORIKAMI

②の工程で出来上がった星と割薬を厚紙をプレスして作った玉皮に片側ずつ詰めて合わせます。ここで初めて球状の花火玉の形になります。 玉の種類によって星の並べ方や詰め方は異なりますが、1玉つめるのに1日半以上の時間がかかります。

④玉貼り

出典:MORIKAMI

玉詰めされた玉皮の上に、クラフト紙を何重にも上貼りをしていく仕上げの作業です。 規定の枚数まで貼っては乾燥を繰り返し行います。 玉貼りをすることで玉が強くなり、上空で爆発したときに圧力がかかり、花火を丸く大きく開かせるためのとても重要な工程になります。 最後に玉のつり手になる紐や綱(竜頭)を付け、玉名や製造日などを印字してできあがりとなります。

まとめ(最後に)

いかがでしたか?

今回は、花火の職人である花火師の仕事と花火がどのように作られているのかをご紹介しました。

花火師の仕事は打ち上げや製造だけでなく、花火の企画や営業、機材の搬入や撤収まで一連の作業をしているため、一般的に考えられているイメージとは違い体力のいる仕事です。さらに現代では花火を打ち上げるためのプログラムの構築まで行っており業務内容は多岐に渡っています。

そうやって花火大会などで打ち上げられる花火は一瞬の輝きですが、その打ち上げられる1つ1つの花火玉は花火師によってたくさんの時間と手間をかけて作りだされているとは驚きですね。

本記事を読み花火大会で打ちあがる花火の1つ1つの見方や重みが変わるのではないでしょうか?

そして少しでも日本のすごい伝統技術を持つ花火師について興味を持ち、知っていただけたなら幸いです。

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