最近よく聞いたり、見たりすることが増えた「レジン」。
『レジン』という言葉こそ知っているものの、実際にどのように使われているかを知っている方は多くはないのではないでしょうか?
現在、ハンドメイドブームで女性を中心にレジンを使ったアクセサリーや小物などが注目されており、100円ショップ等でもレジンが販売されているため、気軽にレジンを使って楽しむことができます。
当記事ではレジンとは何か、レジンによって作られた工芸品、そしてレジンアートとレジンの芸術家であるレジンアーティストについてご紹介します。
レジンとは?
まず、そもそもレジンとはどんなものなのかみていきましょう。
レジン(resin)は英語で「樹脂」を意味しており、合成樹脂を指します。配管や船の補修などに使われたりしますが、絵の具などで好きな色に着色できるため、レジン素材はアクセサリーやキーホルダーに使われたりと、様々な用途があります。
レジンの種類はたくさんありますが、代表的なレジンはUVレジンとエポキシレジンです。こちらはハンドメイドによく使用されているレジンになり、代表的なものになります。 他にも歯科治療で使用されているコンポジットレジンなどがありますのでご紹介いたします。
UVレジン
UVレンジは、1液タイプのレジンで名前の通り紫外線で硬化するため「紫外線硬化樹脂」とも言われています。UVレジンは紫外線が届かないと硬化しないため、厚いものや大きいものは作ることができません。そのためアクセサリーなど小物類のハンドメイドで、主に使用されています。100円ショップなどでよく見かけるレジンはこのUVレジンになり、比較的安価であることも特徴です。
エポキシレジン
エポキシレジンは、主剤と硬化剤を混ぜ合わせることで化学反応が起こり硬化するため「2液性レジン」と言われています。 硬化したエポキシレジンは、透明度が高く美しい仕上がりになるのが特徴で、適度な重みがあります。紙ヤスリなどで磨くとツヤツヤと美しい仕上がりになり、小物やインテリアといった厚みのあるものや大きな作品にはエポキシレジンが使用されています。
コンポジットレジン
コンポジットレジンとは歯科治療におけるセラミック粒子と合成樹脂を8:2の割合で合わせた白いプラスチック素材の詰め物です。コンポジットレジンは粘土のような柔らかいペースト状なため様々な歯の形を作り、専用のLED照射器で強固に固めて詰める虫歯治療の方法として使用されています。
レジンで作られた美しい工芸品!
次に、実際にレジンで作られた工芸品についてみていきましょう。
現在では、レジンを使って様々なアイデアや工夫が施され、その種類もたくさんあり、これらはレジンアートと呼ばれています。
レジンアートとは、機械による熱や圧力が必要なく、手先の作業によって低い分子の物質から、高い大きな分子に変化させ、海や太陽や宇宙などのオリジナル作品を制作していく、作り方を称した創作手芸のことです。 レジンアートは、温度や湿度、着色剤のちょっとした配合に影響を受けるため、まったく同じように作ったとしても違う作品が出来上がります。そして作る人によって一つ一つの模様の出し方やニュアンスも異なりそれぞれのオリジナリティを楽しむことができます。それもレジンアートの魅力とも言えますね。
ここでは、そんなレジンアートを用いて作られている作品をいくつかご紹介いたします。
『レジンアクセサリー』
出典:minneとものづくりと
初心者の方でも、ピアスやイヤリング、ネックレスなど本格的なアクセサリーが作れると話題のレジンアクセサリー。主に手軽なUVレジンで作られることが多いです。型にUVレジンを入れ、ライトで硬化し、型から取り除いた後、アクセサリーパーツなどとつなげて完成します。キーホルダーなども同じように作ることができます。
『レジンスマホケース』
出典:Crafty Style
アクセサリーの次によくハンドメイドされているのスマホケース。100円ショップなどでお好みのスマホケースを購入し、ケースの上にデザインしたい色のレジンを乗せ、筆などで塗り広げます。デザインができたら透明のレジンを重ね塗りをするとその上にお好みのパーツなどを乗せ硬化させると完成します。 ケースや小物入れなどにも同じように自分好みのデザインを作ることができます。
『レジンテーブル』
出典:おたくま経済新聞
日本でまだ馴染みがないかもしれませんが、海外では話題になっているレジンテーブル。家具の一部になるため重みのあるエポキシレジンを使用します。木材などて型枠を作成し、そこにレジンを流し込みます。硬化したことを確認できたら、型枠をはずし、コーティング剤で仕上げるとレジンのツヤツヤした美しいテーブルが完成します。
『レジン食器』
出典:ミニもの(旧)
箸置きや小さなお皿やカトラリーなど、レジンで食器を作ることもできます。食器をつくる時には「食品衛生法適合」のレジンを使用します。つまり食品に接触可能な安全な成分を使用しており、食品衛生法に適合しているため、食器として使うことができます。主にエポキシレジンが使われることが多く、作りたい食器の型を用意すれば様々な食器を作ることができます。
レジンを使って製品を生み出す、『レジンアーティスト』
次にレジンを使った芸術家「レジンアーティスト」として活躍されている方々をご紹介いたします。
レジンアーティストとして起業した首藤淳さん
今ではハンドメイドブームなどで人気が高く流行しているレジンアートですが、もともとは海外で盛んに行われているアートで日本ではあまり知られていませんでした。そんなレジンを材料にした作品を創るアーティストとして起業した首藤敦さんについてご紹介します。
首藤さんは、自動車関係の機会設計エンジニアをしていましたが、5年ほど前から趣味で始めたレジンアートでビジネスとして勝負してみたいと企業を考えました。その後、独学で技術を習得し、新しい作品を次々と生み出しながら、レジンアートの技術と知識を広げるためにテキストの作成・販売やノウハウを体系化したオンライン講座を開催しています。そして2020年には「エポキシレジンアーティスト・日本レジュクラフト協会」を設立し、現在代表理事を務め、現在もレジンアートのコミュニティを広げています。
そんな首藤さんのレジンアートを始めたきっかけは木材や青や緑のレジンでつないで固め、まるで川が流れているようなデザインが特徴のテーブル「リバーテーブル」を知り、その美しさと可能性に大きな魅力を感じたことでした。そして好きな海を表現する作品を探求し、そのノウハウを広く伝えていくため活動されています。
「オリジナル」にこだわるSAYAKAさん
出典:くまキュー
次にご紹介するのが、熊本県在中のSAYAKAさんです。 SAYAKAさんは、独学でレジンアートを学び、なによりレジンアートを描く土台に丸太を使用しているなど、自身の発想と積極性を頼りに「オリジナル」にこだわって作品を作られています。
そんなSAYAKAさんがレジンアートを始めたきっかけは「絵を見ている」ではなく、「海を見ている」と感じていただける作品を追求した結果、レジンアートに行き着いたそうです。レジンアートの世界ならオリジナリティのある作品をつくることができ、仕上がりが水彩画でも油絵でも表せない風合いがあるため、SAYAKAさんの描きたい「海」はレジンでしか表現できないと語っています。
まとめ(最後に)
いかがでしたか? 今回はレジンとレジンによって生まれた作品、そしてレジンアートで活躍するレジンアーティストについてご紹介いたしました。
レジンはハンドメイドブームなどの影響で昔以上に様々な用途で使われるようになりました。レジンで作られた作品はどれもキラキラした宝石のような美しい仕上がりになり、アレンジのバリエーションも豊富なため、自分のオリジナル作品をつくれるのも魅力的ですね。
初心者さん用の材料がすべて入ったキットなども販売されていますので、レジン作品作りに挑戦されてはいかがでしょうか?
そしてレジンを使った芸術家である「レジンアーティスト」という方々が活躍されているということもあまり知られていないのではないでしょうか? 海アートでは本当の海を見ているような、絵画では表現できない自然の美しさを感じさせてくれます。
当記事を読んでレジンの世界に少しでも興味を持っていただけたなら幸いです。